52話 オー!アナタオボエテル!オカネモチ!
RAINBOW2の思ひ出
コロナ以前のナナプラザで一番活気があったのはレインボー2と4で、1と3はイマイチだった。ナナプラザの参考書であるタイガー研究記の情報量を見れば分かるが、2と4にスター選手が多数在籍していた。
レインボー3で誕生したバンコク支部長はしばらくしてレインボー2に移籍した。
帰国後もラインでやり取りしていたので、出勤する前にソイ6のホテルまで迎えに来てくれるようになっていた。合流してバーファインを払いにレインボー2に行く。そこでマネージャーのアベ氏とはじめて話をした。
以前から、顔を白く塗ったバカ殿のようなオヤジがいるのは知っていたが、常連しか相手をしないらしく、絡まなくてもイイ存在だった。
「ドリンク頼め!」
高圧的な接客にアウェー感を感じながらも、バーファインのために来たので、
「もうバーファインしたんだけど。」
「あっそ。」
イヤな感じである。当時のレインボー2は客がイッパイいたのでアベ氏も強気だった。
RAINBOW5
レインボー4を出たら次は5だ!入店すると、結構客がいる。半分くらい?
ステージの上は玉石混合。カワイイのからおばちゃんまで入り乱れている。普段はメニューを見ないで水かコーラを頼むが、何となくメニューを見ると、レッドブルが水と同じ値段!
衝撃だ。日本で高級品のレッドブルと、蛇口をひねれば出てくる水が同じ値段!まよわず130バーツのレッドブルを注文。もったいない。
ロックグラスに入った黄色い液体はお酒みたいでカッコイイ。今度からこれにしよう。
ちなみに一番うれしいのはバカラのホットコーヒーだ!たばこ吸えるし。
ステージを見ながらBBAと話をしていると、山村紅葉と渡辺えり子を足して2で割ったようなスタッフが興奮しながらBBAに愚痴ってきた。
ガウリーがなんとか言っているので韓国人が何かやらかしたようだった。
「オマエもガウリーか?」
コッチにかみついてきたので、ニコッと笑って
「日本人だよ。何か飲む?」
ハイ。鉄板。日本の伝統芸である、甘イープンを発動させた。BBAがグッと親指を立てる。藤井聡太のような差し回し。GOGOバーも詰将棋だ!
もう3時だ。お金もないし、チェックビン!店を出ると、アベ氏がレインボー4の前に座っていた。さっきのBBAもいたのでアベ氏に挨拶して帰ろう。もう入らないけど。
「キシダさ~ん!」
「オー!アナタオボエテル!オカネモチ!」
と言って、店に引きずり込もうとするのでBBAに
「さっきテキーラ出したよね!」
BBAも頷くしかない。作戦通りだ。まさに詰将g・・・
「また今度な!」
少し歳をとったアベ氏が悲しそうだ。気持ちよくホテルに向かった。