20話 バービア嬢のキャットファイト
パタヤに行く予習をしながら、アゴダでホテルを探していた。
前回はAYAホテルを選んでそこそこ良かったが、もっと安いホテルを検索すると
ソイ7のフリッパーハウスが3000円台で一番安かった。
場所もソンテウのルートに収まるし、歩いていろいろ行けそうだった。
実際に行ってみると大きくて立派だったが古いホテルで、すぐに安い理由がわかった。
今でもその近くのホテルを主に利用しているが、レンタルバイクやランドリー、バービアとマッサージもたくさんあるし、知り合いが増えると他に行くのが面倒だと思う。
安かったし、19時オープンなので同じバービアから遊び始めるようになった。
夜はソイ7~WS~LKというルートで、ソイ6は昼間にしか行かない。
不思議なもので、ソイ6で500人見たとしても足を止めることはない。
WSの不人気店も同じで、何人いても人数とは関係ないようだ。
同じバーに毎日行くと、勝手に「オマエの担当だ!」と名乗る嬢が現れる。
名前も年齢も知らない。指名の制度もないから勝手に寄ってきて、足の間に体を滑り込ませる。それで所有権を主張するらしい。
フラっと入り、
「まだオマエの女は準備中ダカラ待ってろ」
と言われても、女なんかいません。近いから来ただけです。
5年で3人の担当がいたが、1人目はガリガリだった。
自信があるらしく、
「私としたいんダロ?」
的な態度をとるが、全然ちがいます。WSに行くんです。ガリガリは好きじゃないんです。
担当は、「私の友達」「私の妹」「私の同居人」に一杯おごれ。
イヤに決まっている。発達した金銭感覚を持つ白人の客しかいないバーなので、日本人の客にはすぐに人垣ができる。
観察すると、派閥によっては人垣に混ざれないらしい。イイ客を持つと派閥で鼻が高いみたい。なるほど。人間観察のために来ているようなものだ。勉強になる。
人垣に混ざれないため遠くにいた子がかわいそうだったので、帰り際にチップを200バーツ渡した。
翌日行くと、その子が寄ってきて
「昨日200バーツくれたでしょ?1人目から「自分の金だからよこせ!」っていわれた。」
何やらもめているみたい。でも奴の金ではない。
話を聞いていたのでドリンクを出すと、その子が2人目の担当になってしまった。
ロッカールームでの戦いは避けられそうにない。
さすがに店内ではにらみ合いくらいで終わるが、2人目がガッチリポジションをキープするので1人目は近寄れない。2人目の派閥がわきを固めている。いや、やけにのどが渇く人垣だ。
連れて帰っていれば女認定されるのはわかる。コッチは20時にはWSに行くから持って帰らないのに。
しばらくすると、1人目は退店していた。戦いに敗れたらしい。辞めることはないと思うけど。2人目の派閥が勢力を拡大したようだ。政治家か?
つづく
押し忘れにキーつけや。