13話 バンコクでスマホを落とした2度目の話
2021年末、2年ぶりのタイだ。いつもより準備が大変だった。書類やアプリの登録が必要で、マニラ経由なので2か国分用意した。
隔離できるホテルが必要だったので、はじめてプロンポンのスカイビューホテルに泊まった。28378円!
PCR検査と食事のセットのはずだった。検査後は部屋で隔離され、食事を待ったが結局何も出なかった。
そもそも隔離中で文句を言い辛い状況ではあるが、予習済だ。食料は1日分持ってきた。
持ってきてよかった。おにぎりやラーメン、菓子パンや糖尿病になるほどのお菓子がある。
「くいしんぼうバンザイ!」
隔離が終わると、すぐにいつものソイ8のVIVA!へ。トゥクトゥクで向かうガラガラのスクンビット通りは新鮮だった。
「サワディーピーマイ!」
運転手さんに予習した新年の挨拶とお年玉の100バーツを多めに払い、「タイ語上手いね!」とお世辞を言われた。
「さて、パズドラするか!」
注文を取りに来るまでのわずかな時間もアプリを立ち上げる。が、ない。
さっきのトゥクトゥクだ。またやった。
動画撮ってるやん。で、尻ポケットから振動で落ちたか。5分も乗ってないのに。
注文もせず、スマホをトゥクトゥクに落としたから後で来る!と告げて捜査開始だ!
12時にパタヤ行きのタクシーを呼んでいる。タブレットの「デバイスを探す」で位置確認。
元気に移動中だ。バイタクに手を挙げ、あこがれの「この車を追ってくれ!」をかます。
少しは休憩すればいいのに、トゥクトゥクは動きまくる。サラデーン駅付近だ!
バイタクにタブレットを見せると「OK!」奴もノッテきた。
が、着いて辺りを探すがトゥクトゥクの姿はない。しばらく見ていると、動いていない。
電波がないのか・・・・
バイタクを降りてしばらく待っていると、アソークにいた。ホテルの近くじゃないか!
新たなバイタクで向かう。が、着くとその場にいない。とんだドロボウ猫(失礼)だ。
近くにたむろしていたバイタクに聞き込みする。確かにこのあたりのポイントが表示されていた。
バイタクは天才だった。「電話すれば?」
気が付かなかった。彼のスマホから電話してもらうと、誰かと話し始めた。
時間がなかったのでソイ23の入り口までパタヤ行きのタクシーを呼んでおいた。見つけた。
バイタクが「行こうぜ!」スマホを受け取れるらしい。あのタクシーに乗る事情を話すと、
英語の自分とタイ語のバイタクが同時に
「ちょっと待っててくれ」とタクシーに話す。200バーツをタクシーに渡すと、キョトンとしていたが、待っていてくれるらしい。
バイタクが走り出す。どこに行くのだろう?どのくらい離れているんだろう?また動いたら困るな。と思っていたら、
なんとソイ8に入っていく。まさかのVIVAだ。
いつものミニラに似た可愛いおばちゃんが「トゥクトゥクきたよ!」どうせ毎日来るから預かると言って受け取ってくれたらしい。
ミニラとバイタクに、お礼を言いつつにお年玉を渡してパタヤに向かった。
流石は微笑みの国だ。ミニラは1000バーツを受け取らなかった。そんなのいらないと。
が、バイタクが「もらっとけよ!」と煽り、ようやく受け取ってくれた。
2回スマホを落としたが、結局は微笑みの国の住人たちのおかげで発見できた。
タイはいいところですよ。