12話 バンコクで2回スマホを落とした話
タイのラーメンにハマっていて、屋台を見ると食べてしまう。量が少ないからいつでもペロリだ。
その時も、ソイカウボーイ入り口の屋台でラーメンを食べていた。パズドラしながら。
予習したところによると、ソイカウボーイはボッタくりが多いらしい。素直な性格なので、それを鵜吞みにしてバカラとシャーク以外は入ったことがなかった。
が、一度だけほかの店に入ったことがある。バカラを出てナナまで100バーツのボッタくりバイタク(好きなんです)に乗るためソイカウボーイを歩くと、よく手を引っ張られるがその日は根負けしてしまい、引きずりこまれてしまった。
スリムで背が高い子だったので、冗談で「君、レディーボーイでしょ?」バカラとシャーク以外行かない理由のもう一つがそれだ。LBが紛れている疑惑。
「LBじゃないよ!」そう言って立ち上がり、片足をソファにあげてスカートをめくり、下着を横にずらしやがった。「触ってよ!」
「オメエさん、タダのネズミじゃねえな」
とんだ営業方針だ。やり手セールスマンめ!素直な性格なので言われたとおりにすると、様子がおかしくなっていく。
「こいつぁいけねえや」
周囲の視線を感じた0.5秒後には「チェックビン!」多めのチップでお茶を濁す。
ラーメンを食べていると、知らないおばさんが「はっぱ入れろ!そのほうがうまいから!」入れてみたが硬い葉っぱでラーメンに入れるものではない。
「バカラ行こうっと」葉っぱを残してチェックビン!安定のバカラだ。
「さて、パズドラやるか!」スマホを探すがポケットにも鞄にもない。記憶をたどると、ラーメンが来た時に鞄に乗せたことを思い出した。
急いでラーメン屋台に戻るが、あるわけない。明日の午後には帰国の飛行機に乗らないといけない。
バカラの2階でどうするか悩んでいたら女子と食事に行くことになり、当然ママも付いてきた。ふざけんな。ママが来ると、普段からボッタくりなのに更に高騰してしまう。
向かいの店で女子とママとチャーハン・餃子・ソムタムなどを頼み、スマホを落とした事を話していた。
「こいつらと警察に行ってこい」ママから、偶然さぼってそこにいた店員と女子を連れて警察に遺失物届を出せと。届いているかもしれない。
そういえば、届けたら保険でお金になるかも。話に乗ることにした。チェックビン!3000バーツ!なんでやねん。チャーハンとコーラで3000か!ママやり過ぎ。
しかも追加で2人目のバーファイン。警察に行くと、午前2時。遊び過ぎ。届けて一人でホテルに帰ると重大なことに気づく。
Googleのデバイスを探すだ!タブレットでスマホの現在地を探す。電源が入っていた。ソイカウボーイの近くだ。
バイタクに事情を説明して捜査開始だ。二人で探してみると、何かのお店にある。2件に絞られたが、もう4時。閉店している。諦めて寝ることにした。
11時に目を覚ますと、やはりスマホが気になるのでタクシーを頼んだ12時まで探そうと部屋を出た。運よく昨日のバイタクがいたので、捜査の再開を宣言。二人であたりを付けた店に行く。
バイタクがタブレットを片手に聞き込みしてくれる。電源が切れているらしく、現在地が分からない。全員に知らないと言われ、ホテルに戻った。
荷物をまとめて最後にタブレットを確認すると、スマホの現在地が表示された。少し移動している。慌ててバイタクを呼びに行き、再捜査だ!
現在地を探ると、近くの駐車場だ。「スマホを鳴らす」を押してみると、近くで音がする。やったか?ごみ袋から音がしたので中を見るとスマホがあった。
多分聞き込みをした中に犯人?が居たのだろう。お礼を言って空港に向かった。
それ以来、2年はそのバイタクを見ると乗るようにしていた。が、コロナで廃業したらしい。コロナって・・・
2度目の話は次回。